【知識としてしっかり覚えておきたい景品表示法】

 顧客の購買意識を高める為に、キャンペーンを行いノベルティグッズを配布したりプレゼントする際には景品表示法を無視する事はできません。
どんなに素晴らしいキャンペーンでも景品表示法を遵守しなければ企業イメージに傷がついてしまうので知識としてしっかりと確認しましょう。
 
  1. 景品表示法とは消費者の利益を保護する為の法律です。
 景品表示法は、正式名称『不当景品類及び不当表示防止法』(昭和37年法律第134号)といいます。
この法律の目的は、商品及び役務の取引に関連する不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止するため、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為の制限及び禁止について定めることにより、一般消費者の利益を保護することを目的とした法律です。
 
消費者は高品質・低価格な物を求めてます。企業はその期待に応えるため、品質を向上させ他社より安く販売するように企業努力をします。しかし、企業が消費者に対して、実際より良く見せかける表示をしたり、過大な景品付きの商品を販売したりすると、それらにつられた消費者が実際には質の良くない物を買うことにより不利益を被る恐れがあります。景品表示法は、商品やサービスの品質・内容・価格等を偽って表示することを厳しく規制し、過大な景品類の提供を制限することで、消費者がより良い商品やサービスを選べる環境を守る為の法律です。
 
 
2、景品表示法の範囲
 景品表示法における「景品類」の範囲は意外に広く、顧客を誘引する手段として取引に付随して提供する物品・金銭等の経済上の利益を景品類と定義されています。ノベルティグッズはもちろん、旅行や舞台への招待、来店・購買ポイントやスクラッチカードなども景品表示法の「景品」の範囲内です。但し、値引き・アフターサービスは除きます。
 
 
3、景表法の区分
景品表示法の区分には大きく分けてオープン型とクローズド型の2つがあり、実施されるキャンペーンによって景品の上限金額が異なり、ます。
 
オープン型キャンペーンは商品購入や来店などの前提条件がなく、広告によって広く応募者を募ることで誰でも応募できます。
取引に付随しないので景品表示法は適用されません。さらに、提供できる景品類に具体的な上限額の定めがないので、高額な景品の提供も可能です。
 
クローズド型キャンペーンは商品購入や来店などの前提条件があり、条件を満たした応募者のみが応募できます。
取引に付随するものなので、景品表示法の景品類に該当します。さらに、提供できる景品類に具体的な上限額の定めがあります。
 
4、クローズド型には一般懸賞・共同懸賞・総付け景品の3種類の懸賞パターンがあります。
※懸賞とは前提条件を満たした応募者から企業などが選別・評価して「賞」として景品類を提供する事を指します。
 
 一般懸賞とは“くじ”や“抽選”と言った偶然性や特定行為の優劣によって選別する事です。
景品の上限は商品やサービスの価格で変わるので注意が必要です。
懸賞による取引額が5,000円未満の場合は取引額の20倍まで、取引額が5,000円以上の場合は10万円まで、懸賞の総額は売上予定額の2%になります。
例:コンビニとかで700円以上お買い上げで1回くじ引きのできるキャンペーンがあったとします。
取引額が5,000円未満の場合は取引額の20倍までなので特賞とか1等の景品は【700円×20倍】で最高14,000円までOKです。
懸賞の総額は売上予定額の2%になるので「700円以上お買い上げ」が100万件あったとすると、総額7億円の2%以内で1400万円まで景品に使えます。
 
 共同懸賞は商店街や一定の地域や業界の事業者などが共同して行う懸賞です。
上限は取引額に関わらず30万円で、懸賞の総額は売上予定額の3%になります。
例:地元の商店街で500円のお買い物をすると1回福引が引けるキャンペーンがあったとします。
福引キャンペーンで地元の商店街全体で5000万円の売上げを見込んでいます。
この場合、上限は取引額に関わらず30万円なので、特賞とか1等の景品は最高30万円までOKです。
懸賞の総額は売上予定額の3%になるので、売上げ見込み5000万円の3%で150万円まで景品に使えます。
 
 総付景品は【ベタ付け】とも呼ばれ、商品やサービスを購入した人にもれなく全員に景品類を提供するものです。来店するとポイントが貰えるキャンペーンも該当します。懸賞による取引額が1000円未満の場合は200円まで、取引額が1000円以上の場合は取引額の20%になります。
例:パンの価格1個200円で2点・300円で3点のシールが付いていて、25点分のシールを集めると必ずお皿がもらえるキャンペーンがあったとします。
お皿をもらう為に25点分のシールを集めるにはパンを2500円以上買わなければならないので、取引額1000円以上の場合は取引額20%に該当します。
2500円の20%は500円なのでお皿の価格は500円までOKです。
 
故意の有無に関係なく違反すれば措置命令が消費者庁より下され、企業の信頼失墜につながります。知らなかったでは済まされませんので知識としてしっかりと覚えておきましょう。